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タカマや!!
……と思ったらなんやこれ。サービスノベルってどないな新ジャンルやねん。
メイコ「タカマと私が活躍する小説なんじゃないかな……?」
あほいうな、小説っちゅうのはなー、もっとこう文体の格調高さが崇高な世界を創り出す一つの小宇宙なんやで。例えばや、
★★★

タカマの軽やかな声が響き渡った。
「タカマや! ……と思ったらなんやこれ、サービスノベルってどんな新ジャンルや」
呆れ顔で訊ねるタカマが振り返った先には、メイド服姿をした少女、パートナーのメイコが小首をかしげていた。
「タカマと私が活躍する小説なんじゃないかな……?」
「あほいうな、小説っちゅうのはなー、もっとこう文体の格調高さが崇高な世界を創り出す一つの小宇宙なんやで。例えばや」
タカマは小さく咳払いをひとつ。そして、


★★★

こんなかんじやー!
メイコ「疲れますね、その調子だと。テンポも悪いし……」
なんやメイコ、評論家気取りですか? 修飾こそが小説の命やちゅうに己はそれを否定するんいうんかい。
メイコ「だけど、最近の小説は会話文がずらっと並ぶことも珍しくありませんよ。それと地の文が主人公の独白調だとかも……」
まあ、それが時代の流れなんやろうかな。ブームちゅうもんはどうにもならへんし、何よりこうして会話ダラダラ書いとるほうがじつは楽やったりもするらしいちゅう話やねん。
そやけどな、百歩譲ってこの文体を認めるとしても、こんな中身もクソもない無内容、わいはぜったい小説とは認めへんでー!!
設定や! プロットや! キャラ立てや! 起承転結やー!! それなくして小説なんて論外やーー!!
メイコ「と落ちもないままおしまいです」


……なんやこれ。これのどこがサービスノベルなんや。
メイコ「そうですね……これ?」
おまえのメイド服姿がサービスかいな……orz

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2007.06.19 Tue l 小説 l COM(0) TB(0) l top ▲
「あなた、覚えておくがいいわ」

捨て台詞を吐かれてしまった。
それも思いがけない相手から。
いつもクラスの片隅で目立たず本を読んでる伊佐さんを追いかけてやってきた図書室で、その捨て台詞を残すと、彼女は話が終わったといわんばかりに背を向け立ち去ってしまった。
クラスメートとはいえ、あまり面識がなかった相手にこんな言葉を投げかけられるなんて夢にも思わなかったせいもあり、しばらく呆然として動けなかった。
ジャーガシャンとあの図書室独特のドアを閉める音が乱暴に響き渡ったのを聞いてやっと目が覚めたように我にかえる。
「何だったの、いまのは……」
手紙が落ちていたのを見つけた。
その手紙には差出人の名前がなくただ宛名だけが書かれていたので、だからその名前の当人に渡したのだけど、何か間違ったことをしてしまっただろうか。伊佐さんは冷たい瞳を向けてきたのだ。
当然、手紙の中身なんて見ていない。気を使って人のいない場所も選んだ。それなのに、善意の結果が憎悪で帰ってくるなんて。
「理不尽にもほどがあるじゃない」
いくら考えても答えなんて見当もつかなかった。
いつも窓際の席で本を読んでいて、時々友達とおしゃべりしている、そんなおとなしいと思っていたひとから向けられた突然の怒りにこちらの感情がついていかない。だって意味がわからないから。
「本当、なんだったんだろう」
つぶやいても答えが返ってくるはずがなく、軽く肩をすくめて気持ちを切り替えることにした。
わからないことは、いくら考えてもわからない。
理由を聞くにも、あんな目を見てしまったら尋ねようなんて気も失せてしまう。
「ま、いいよね。別に」
わからないことはきれいに忘れることにして、どこか後ろ髪引かれる思いを抱きながら図書室を出た。

それは雨も降らない6月のこと。

2007.06.11 Mon l 小説 l COM(0) TB(0) l top ▲
コヒナタ ミナには、ささやかな悩みがあった。
その悩みとは彼女にとって致命的だけど、他の人にとってはどうでもよくて相談しようものなら「どうでもいいさ」と軽くあしらわれてしまうささいな悩みのように扱われてしまう類のもので、しかしながらそんなどうでもいいミナの悩みが、じつはすみやかに解決されないと近々みんなを巻き込んで大きな悪影響を及ぼしかねないといった深刻な問題だった。
たしかに危険な大問題がそこにはあるのだ。
……と知っているのに、なぜそれが問題なのかをミナ自身にも理解できないせいで、誰にもことの重大さを伝えられない。ミナの悩みは深刻である。
「うーん、これは問題だ……」
コヒナタ ミナには、ささやかな悩みがあった。
2007.03.15 Thu l 小説 l COM(0) TB(0) l top ▲
この情景をなんと例えよう。誰もいない神社の境内。高い階段を上りきったセーラー服を着た巫女は、無駄のない曲線で宝剣を一振りした。
流れるような長髪が茜色の夕日を反射している。
秋の夕日が照らし出すなかで私と彼女は対峙する。
だが、現実感を伴なわない美しいその光景に見とれる余裕すら私には与えられなかった。
衝撃。
灼熱。
そして、致命的な何かを奪われたという絶望感。
彼女との間合いは一気に詰められ、胸の中心に異様ともいえるような異常な熱さが生まれて、混乱しながらも私はようやく彼女にこの命を奪われたのだと悟った。
深々と宝剣に貫かれている、私の心臓。
痛みはなくただ熱さだけが血溜まりのように感じられ――。
「去りなさい妖魔。あなたはこの世界にいてはいけない」
宝石のように澄んだ拒絶の声が聞こえた。
私は、自分がなぜ混乱しているのかようやくわかった。

痛いのでも熱いのでもなく、ただ哀しかったのだ。

                         ワタシは、ヤハリスクワレナカッタ。

胸の奥にある光が砕け散る。
彼女と気持ちがつながったと感じたあのときの、私の独りよがりで愚かな、希望の光。
誤解と救いは失われた。
後に待つのは殺し合いだけ、か。
こうなってみるとこれが自然なんだと思えた。おかしさがくつくつと笑い声になってこみ上げてくる。
口に広がる鉄味の血を零してワタシは解放された。

「いいわ、滅ぼしてあげる。宝剣使い」



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2007.01.30 Tue l 小説 l COM(0) TB(0) l top ▲
花月の恋はゆるやかに育つ。

少年・愛を見つけるたびに三笠木川の水面を連想して、「恋する気持ちは水の流れに似ているのかもしれない」――と胸に芽生えた気持ちを言葉にかえる。
少年・愛というのは、彼に勝手につけたコードネームだ。
本当の名前も、どこのクラスなのかすら花月はしらない。
とはいえ、なぜか自分から進んで調べようという気持ちにもなれず、学校で彼を偶然見かけては「うむ、彼は今日も元気だ」と確認だけで満足していて、いまのこの絶妙な距離感を壊す気にはとてもじゃないがなれなかった。
アイドルやバンドの美形メンバーに憧れるファン心理と似ている。
――花月はアイドルの追っかけなんてやったこともないけど。
だが、ファンになった彼女たちが自分だけの密かなお気に入りを作って影から見守る気持ちと同様に花月も胸の中に生まれた想いを抱きしめて、彼女たちの気持ちがほんの少しだけわかったような気がした。
たしかにこれは病みつきになるかもしれない。

だから、少年・愛の正体は一切わからない。同じ学校に通う生徒である以外、何の情報もないし、いらない。
クラスメートでないことはたしかだろうけど。

今日に彼を目撃したのは1回。
登校中の学校前で1人で登校する姿を見かけた。友達と群れて登校しない孤高なところも花月にとってはお気に入りポイントのひとつである。
それと彼は時間に生真面目な性格をしているようで、朝の8時10分から15分に校門近くで待ち伏せてると大抵目撃できることもわかっていた。
2006.12.27 Wed l 小説 l COM(0) TB(0) l top ▲